くつろぎを例えるなら、学生時代の夏休み。Series006自身が語る、くつろぎについて

|必要だからくつろぐんじゃない。くつろぎたいからくつろぐ、ということ

この記事をご覧になっているあなた、最近、くつろいでいますか?今回は、“くつろぎの時計”として活動するSeries006に、なんでもない時間を過ごすことの大切さを聞いてみました。くつろぐのがニガテな方もぜひご覧になってみてください。

―Series006さん、本日はよろしくお願いします!

Series006:こちらこそよろしくお願いします。まずはすみません、無邪気に屋外をインタビュー場所に指定しちゃって。人間の皆さんにはちょっと暑いですか?私は時計なのでちょっと温度感覚が皆さんとズレてるので、ごめんなさい。

 

―大丈夫です、お気遣いありがとうございます。今日は雲ひとつない晴天でよかったですね、ここはSeries006さんのお気に入りの場所なのですか?

Series006:ええ、私はあてもなく散歩するのが趣味のひとつなのですが、1年前くらいにこのあたりを歩いててたまたま見つけた場所なんです。都会でこんなに一面みどりの原っぱってなかなかないですよね、周りに高い建物もあまりないから空も広々としててとても気持ちがいい。

 

―とても素敵で思わず深呼吸をしたくなる場所です。今回、お伺いしたかったのは、Series006のキャッチコピーにもある「くつろぎ」についてなのですが、Series006さんにとってこの場所はまさにくつろぎの場所と言えるかもしれないですね。

Series006:おっしゃる通り、ここは私にとって何よりのくつろぎの場所。人間の皆さんも、私たち時計の中にもいますが、くつろぐ時間の優先度がとても低い方っているじゃないですか。くつろぐ時間があったら好きな映画みたいとか、中には寝る時間さえも削っている方もいらっしゃると思います。

 

―ああ〜、私はどちらかと言うとそっちのタイプかもしれません。

Series006:あ、そうなんですね。ご安心ください、決してそのライフスタイルを否定するつもりではないので(笑)。むしろここで言いたいのは、必要でなければ無理にくつろぐこともないということです。
特にアクティブなライフスタイルが好きな方々の中には、くつろぎの時間=休憩の時間、もっと言うと退屈な時間と思われている方もいらっしゃいます。ただ、私にとってのくつろぎの時間って、自分にとっていちばん心地よい時間ということなんですよ。言い換えれば、単に楽しい時間。映画やドラマを見ているのと同じ感覚で、ここでの時間を自由に楽しんでいます。

 

ーああ〜、なるほど。

Series006:映画やドラマを見るのと目的は同じなのですが、その方向性が違うというか。ドラマなどは日常に刺激をプラスして楽しみますが、くつろぎとはその逆で、日常から色んなことを減らすことを楽しむんです。私自身のデザインもそうで、とにかくシンプル。デコラティブなデザインが好きな方にとってはちょっと物足りないかもしれないですが、このシンプルさがとても好きとおっしゃってくださる方もたくさんいるので、私はこれからもこのままでいたいと思っています。

 

|くつろぎを例えるなら、学生時代の夏休み

―くつろぐ、ゆっくりするということを、心の栄養を摂取するような感覚で取り組むのではなく、あくまで趣味として楽しむということですね。

Series006:ええ。私も時計として多くの方々と接していますから、中にはいますよ、くつろぎの時間が必要だなって思う方も。

 

―それは例えば、必要以上に仕事を頑張っちゃう方とかですか?

Series006:そうそう!本当に好きで頑張っている場合は問題ないと思うんですけど、頑張ることがノルマになっちゃうとあまりよくない方向に行っちゃいますよね。悪い方向に向かないようにとくつろぐことは、とても効果的だと思います。なので私も、そういった雰囲気がある方を見かけると、なるべく存在感を出していこうとアピールはします。文字盤からじーっと見つめるくらいしかできないんですけどね。

 

―自分に無理をしがちな人ほど、くつろぎの時間は必要かもしれませんね。

Series006:そうなんです。そうなんですが、その、まるでくつろぎが薬やサプリメントのようになりすぎちゃうのも違うなと思ってて。そんな堅苦しいものじゃないというか。

 

―なのでSeries006さんはあくまで趣味としてくつろぐことを大切にされているのですね。

Series006:あと、これは個人的に最近思うのですが、人々はあらゆることに「意味」を求めすぎなのかもしれません。くつろぎをことさら否定する方はよく言うんですよ、「何も考えずぼーっとすることになんの意味があるんだ」って。でも、これだけは言わせてほしい。意味のない時間を過ごすってものすごく贅沢ですから。例えるのが難しいですが、近いのは学生時代の夏休み。漫画やテレビなどもひと通り見て、いよいよやることがなくなってぼーっとするあの感じに似ているかもしれません。こんな贅沢で素敵な時間はないなと思います。

 

―大人になればなるほどそういう時間が失われてしまいますもんね、いいなあ…。

Series006:映画やドラマといったエンタメの一つとして、くつろぎがある。これらの究極的な目的ってつまり、「自分の機嫌を良くすること」ですよね。毎日を過ごしていれば機嫌が良くない時もありますよ、それは人間も時計も同じです。そういう時に、様々な選択肢の中のひとつにくつろぎがあって、それを無理なく選んでくれれば良いと私は思います。私は「くつろぎの時計」なので、好きな時に、無理なく私を選んで、少しでも良い気分になっていただけると嬉しいです。

 

―興味深いお話をありがとうございました!

 

 

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